【書評】『モンク思考』  J・シェティ

" data-en-clipboard="true">「僕らにも、僧侶のような意識状態が必要じゃないだろうか?」。そんな筆者の疑問から始まる、自分に集中しするための思考のレッスン。 " data-en-clipboard="true"> 人類は誕生してこの方、様々な文明や技術を進歩させてきた。…

【書評】『ソース焼きそばの謎』 塩崎省吾

" data-en-clipboard="true">縁日の屋台、土曜の昼食、BBQの締め、など様々なイメージで語られるソース焼きそば。その起源を追った一冊。 " data-en-clipboard="true"> 筆者は焼きそばの食べ歩きブログを運営するほど、焼きそば好きである。本職のITエンジニ…

【書評】『米欧回覧実記』 久米邦武

" data-en-clipboard="true">時の政府首脳部の半分近くを2年近く派遣し、不平等条約改正や西洋文明の調査を目的とした岩倉使節団の非公式記録。 " data-en-clipboard="true"> 岩倉使節団は、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文ら大臣クラスの政治家だけでなく、…

【書評】『虐殺のスイッチ』 森達也

「なぜ人は優しいままで人を大量に殺せるのか」。そんな筆者の疑問から始まった、集団による虐殺のメカニズムを解き明かす一冊。 筆者はたった一人でつくった「A」というドキュメンタリー映画で、オウム真理教の中で出家信者と暮らし、その模様を取材したこ…

【書評】『ニュースの未来』 石戸諭

「ニュースとは新しい価値を創造するという意味で、クリエイティブなもの」。そう語る筆者による、ニュースの未来について。 これまでニュースを担ってきたテレビ、新聞、雑誌の凋落はいかんともしがたい。さらにインターネットの発展により、ニュースの持つ…

【書評】『ガンダム世代への提言』 富野由悠季

ガンダムを作った男、富野由悠季の対談集。 「御大」の異名をとる富野由悠季に挑むのは、老若男女、大学教授から役者や経営者、詩人や杜氏、アスリートから宇宙飛行士まで、多士済々の面々。そんな彼ら彼女らとの対談で、富野が発した言葉とは。高邁な理想を…

【書評】『くらしのための料理学』 土井 善晴

「和食は、何もしないことを最善とする」。そう語る筆者による、和食という思想の入門書。 筆者は料理人として、料理研究家として、長年にわたり料理と和食にかかわってきた。贅を尽くしたハレの料理ではなく、毎日食べる日常の料理を通じ、しあわせを考える…

【書評】『ジャガイモの世界史』 伊藤章治

「ジャガイモは貧者のパンとして、歴史の転機で大きな役割を果たしてきた」。そう語る筆者による、ジャガイモの歴史。 今や我々の食卓に欠かせない食べ物の一つである、ジャガイモ。その伝播から普及、世界史に果たした役割までの、知られざる歴史を追った一…

【書評】『リーダーたちの日清戦争』 佐々木雄一

明治日本にとって、近代国家として初の本格的な対外戦争である日清戦争。政治面から見たその戦争の実態をまとめた一冊。 軍事は政治に隷属する。そのため戦場での勝敗以上に、政治外交での優劣が戦争の勝敗に影響する。にもかかわらず、戦場での武勇伝は広く…

【書評】『When 完璧なタイミングを科学する』 ダニエル・ピンク

ものごとを為すのに、最適なタイミングは何か。そんな筆者の疑問から始まった、"How to"ではなく"When to"の本。 何かをするためには、タイミングが重要である。だがそのタイミングを科学的に分析した一冊。朝型人間と夜型人間の違い、運動を午前にするメリ…

【書評】『文明の血液』 湯浅赳男

「文明の血液」たる、貨幣から見た世界史。 偉大な文明を築き、そして維持していくためには、先立つものが必要である。貨幣という切り口から見た、メソポタミアから古代ギリシア、イスラーム帝国、古代中国、ヴァイキング、大航海時代、世界大戦の歴史。スパ…

【書評】『文明の人口史』 湯浅赳男 

人口という切り口から、世界史と人類史を紐解く一冊。 世界の人口は80億人を超え、増え続けている。だが日本をはじめとする先進国は、少子化による人口減少が課題となっている。歴史から見て、現代のこの状況は特異点なのか、それとも歴史の常態なのか。農業…

【書評】 『多拠点で働く 建築・まちづくりのこれから』

場所にとらわれず働く。コロナ禍を経て市民権を獲得した、新しい働き方を実践する人々の記録。 人類は、移動する生物である。誕生の地アフリカを出て世界に広がったように、我々のDNAには移動することが刻み込まれている。本書で紹介されている9組もまた、1…

【書評】『防災アプリ特務機関NERV』 川口穣 

日本最大の防災アプリであり、Xアカウントである特務機関NERV。謎に包まれた機関の、内実を探ったノンフィクション。 特務機関NERVとは、エヴァンゲリオンシリーズに登場する、使徒殲滅を主要任務とする架空の組織である。そしてまた、災害情報を最速で配信…

【書評】『人生後半の戦略書』 アーサー・C・ブルックス

「多くの人が、キャリアと体力と気力の落ち込みは避けられない」。そう語る筆者による、人生とキャリアを再構築する方法。 高いスキルを要する職業であればほぼ例外なく、30代後半から50代前半にキャリアが落ち込み始める。しかもピークが高ければ高いほど、…

【書評】『異彩を、放て。』 松田 文登, 松田 崇弥

「既存の構造をひっくり返して逆転現象を起こすことで、世の中の「当たり前」がぐにゃりと揺らぎ、「常識」が覆る」。そう語る筆者による、福祉とアートの新しい関係。 筆者は双子の兄弟で会社を経営している。ミッションは「異彩を、放て。」。様々な知的障…

【書評】『幸福優位7つの法則』 ショーン・エイカー

幸福になるにはどうすればいいか、最新の理論をまとめた一冊。 筆者はポジティブ心理学の第一人者である。鬱や心の病などを研究する「ネガティブ心理学」ではなく、どうすれば幸福になれるかを考えるのが「ポジティブ心理学」である。筆者の研究から見えてき…

【書評】『最高の脳で働く方法』 デイビッド・ロック

脳に関する最新の発見から、仕事のパフォーマンスを変えていく一冊。 筆者は「ニューロリーダーシップ」を提唱し、脳科学研究を用いて個人や組織のパフォーマンス向上を図っている。そんな筆者の研究から生まれた、脳を活かす方法。ToDoリストをつくるだけで…

【書評】『火器の誕生とヨーロッパの戦争』 バート・S・ホール

火器がどのように決定的な兵器となっていったか、技術面から戦争の進化論。 14世紀に火器は発明されたが、当初は補助的な兵器であった。だが様々な技術の進歩と、戦術の進化により、戦場の主役となっていく。主に15~16世紀のヨーロッパを中心とした、戦争と…

【書評】『鎌倉幕府と室町幕府』 山田徹、谷口雄太、木下竜馬 

鎌倉幕府と室町幕府、今様々な新発見が相次ぐこの時代の、最新研究をまとめた一冊。 鎌倉時代と室町時代は、地味で人気の薄い時代である。いや、「であった」と言ったほうが正確である。なぜならこれらの時代は、歴史研究者の間で最もホットな時代であるから…

【書評】『愛をばらまけ』 上村 真也

大阪のあいりん地区、そこで奮闘する型破りの牧師と、その信徒たちを追ったノンフィクション。 大阪の釜ヶ崎は別の名をあいりん地区。日雇い労働者の街であり、スラム街の代名詞であり、警察署が襲われる暴動事件が何度となく発生してきた街である。そこにほ…

【書評】『超圧縮地球生物全史』 ヘンリー・ジー

この地球に生命が生まれてからの、38億年の長い長い物語。 地球は46億年前に誕生し、その8億年後に生命が誕生した。その長い歴史の中で、数多くの生命が生まれ、繫栄し、絶滅し、そしてまた新たな生命が生まれてきた。そんな生命のこれまでと、そして未来の…

【書評】『計算する生命』 森田 真生

「計算によって、人は新たな概念の形成へと導かれてきた」。そう語る筆者による、生命と数学との関係。 筆者は独立研究者として、数学を中心に研究や執筆活動を行っている。複素平面の本質的な意味、リーマンが関数に与えた大きな役割、高校数学が18世紀以前…

【書評】『暴力と不平等の人類史: 戦争・革命・崩壊・疫病 』 ウォルター シャイデル

「大量動員戦争、革命、国家の破綻、伝染病の大流行の4つが、不平等を是正してきた」。そう語る筆者による、不平等の人類史。 農耕の発明とともに、人類は経済的不平等とともにあった。放っておけば不平等は拡大する。だが様々なタイミングで、そういった不…

【書評】『シリコンバレー式超ライフハック』 デイヴ・アスプリー

優れたパフォーマンスを発揮するにはどうすればいいか。そんな筆者の疑問から始まった、ライフハック大全。 冒頭の問いは、誰もが一度は抱く疑問である。筆者は世界中の一流専門家の話を聞き、19年の時間と数百万ドルの費用をかけ、最も速く「完全無欠」にな…

【書評】『売上を、減らそう。』 中村朱美

常識を覆す働き方で注目される佰食屋、その経営者が語る働くことの本質。 佰食屋は、京都にあるステーキ丼専門店である。営業はランチのみ、メニューは3種類のみ、1日100食限定、飲食店なのに残業ゼロ、なのに百貨店並みの給料。考えれば考えるほど、不思議…

【書評】『アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち』 鈴木 忠平

これは、北の大地にボールパークを作るという、壮大な夢を叶えた男たちの物語である。 北海道日本ハムファイターズは、地元に愛される球団である。2004年に本拠地を札幌ドームに移転して以来、着実に観客動員数を増やし、またチームも強くなっていった。球界…

【書評】『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 ジェームズ・C・スコット

「 定住と農業から、国家が生まれるまでは4000年以上もタイムラグがある」。そう語る筆者による、国家誕生までの人類史。 狩猟採集民であったホモサピエンスは、定住し、農業を始め、文明が生まれ、国家が誕生した。4000年の長期間にわたりながら、あまり語…

【書評】『書く仕事がしたい』 佐藤 友美

" data-en-clipboard="true">「物書きとして生きることは、目をこらし、耳をすませ、取材者として生きる態度を持つこと」。そう語る筆者による、物書きとして生きるためのノウハウ。 " data-en-clipboard="true"> 筆者自身が冒頭で述べているように、この本…

【書評】『友情を哲学する』 戸谷洋志

「友情とは、契約に基づかず、誰からも管理されず、常に解消可能な関係。本質的に不安定である」。そう語る筆者による、様々な哲学者の友情観の解説書。 古来より、友情は哲学の主要テーマの一つであった。アリストテレス、カント、ニーチェらの哲学の巨人た…