【書評】 『非属の才能』 山田玲司

才能というものは"どこにも属せない感覚"のなかにこそある」。そう語る筆者による、皆と違うことのすすめ。
 
空気を読む、周りと合わせる、行列に並ぶ、意味もないうさぎ跳びをさせる、などなど。この国では「人と違う」をとをするのがかくも難しい。そういった「浮いた人」をアスペルガーとか引きこもりとかレッテルを貼って、「正しい」道に戻そうとする。だがひとたび自分の感覚を信じて努力を重ねれば、いずれ自分の隠れた才能が分かる時が来る。俗に「天才」と呼ばれる人は、学校という群れの中では生まれにくいのだ。読みやすく、だが力強い筆致で「異端のすすめ」を説く一冊。この世界で生きづらさを感じている人、周りの評価より自分の感覚を大事にしたい人に向けた、福音書とでも言うべき一冊。いちおし