【書評】『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』 武藤北斗

「会社の役割というのは、その人が幸せに生きていくためのサポートをするという一点に尽きる」。そう語る筆者による、新しい働き方の指南書。
 
筆者はパートを合わせても11名の、小さなエビ加工会社の経営者である。東日本大震災石巻の工場を失い、多額の借金を背負いながら、大阪で再起したため国からの援助は一切なし。そんな中で考え出したのが、「フリースケジュール」という働き方。出社する時間も、退社する時間も、出社するかどうかすら、自分で決められる。しかも会社へ連絡の必要は一切なし。さらに従業員に定期的にアンケートを取り、嫌いな作業はやらなくてもいいという制度まである。筆者はなぜこのような制度を考え付いたのか。そしてこの制度をどのように活かしているのか。これまでのように人を縛る働き方ではなく、よりよく生きて生きていくための、『生きる職場』の作り方。おすすめ