国家はなぜ衰退するのか。経済学者である筆者が、この大きすぎる問いに挑む意欲作。
盛者必衰の理の通り、いかに栄華を誇った国家もいずれは衰退する。そこにはどのようなメカニズムが働いているのだろうか。上巻はその前段階、国家がいかに繁栄するかについて。
国家の成長には2種類ある。1つは収奪的制度の下での成長。既存の技術を基にした成長であり、スターリン時代のソ連など。もう1つは包括的制度の下での成長。技術の変化を必要とする、持続的な成長であり、産業革命期の英国など。現在の米国、メキシコ、ソマリア、さらには共和制ローマ、大航海時代のコンゴ、オーストリア帝国、海禁政策時の明、漢江の奇跡の韓国、などなど。古今東西の国家の繁栄の歴史を紐解き、そのメカニズムを探る一冊。