【書評】『大英帝国の歴史 下』 ニーアル・ファーガソン

かつて地球上の面積の1/4 を占める大帝国であった英国の歴史。下巻はヴィクトリア朝の絶頂期から没落、そして現在まで。
 
2度の世界大戦により、英国はその輝きを失ったと言われる。だが没落の兆候は、それ以前の18世紀にもあったのだ。ドイツの統一とその急速な勃興、その挑戦をはねのけることで、英国はその力を使い果たした。英国は覇権を失ったが、その残滓はイギリス連邦の加盟国がいまだに増加していること、また旧英国領が民主政を保ち健全に経済発展していることからも見いだせる。
 
歴史を学ぶ上で一番重要である「なぜ」と「これから」についての考察が薄く、「昔はよかった」という老人の回顧録を思わせる一冊