【書評】『中国史』下 宮崎市定

国史の大家による、夏王朝から中華人民共和国までの中国全史。下巻は宋の統一から現代まで。
 
アルファベットと比べた漢字の利点、党派対立時に生き残る方法、モンゴル帝国と中華料理の意外な関係、景気循環と王朝交代のメカニズム、文化の進展が歴史機与える影響、などなど。筆者が語るように、歴史は選択の学問だ。幾万の事実の中から、何を選択し、何と組合せ、何を解釈するかによって、歴史はつくられる。膨大な史実を縦糸に、豊富な教養を横糸に織りなされる、贅沢な物語。知的好奇心をこの上なく満たしてくれる一冊。いちおし