【書評】『イスラーム思想を読みとく』 松山洋平

イスラームは「信条の体系」であるから、その世界観を真実・事実として信じるか否かが問題」。そう語る、イスラーム思想史の研究家である筆者による、イスラームの教えの入門書。
 
近年、中東以外でも急速に勢力を拡大しつつある、イスラーム。その教えは我々に身近な神道や仏教とは大きく異なっている。なぜ過激派を破門しないのか、酒飲みでも入信できるのか、カリフとはいかなる存在か、スンナ派の中に様々な宗派があるのはなぜか、イスラームにおける法学と神学の違いとは、イスラーム法と現代の刑法が異なるのはなぜか、などなど。前提となる知識は必要だが、知っているようでよく知らない、イスラームのことがよくわかる一冊。おすすめ