運を結果につなげる方法について、様々な最新研究をまとめた一冊。
【書評】『モンク思考』 J・シェティ
「僕らにも、僧侶のような意識状態が必要じゃないだろうか?」。そんな筆者の疑問から始まる、自分に集中しするための思考のレッスン。
人類は誕生してこの方、様々な文明や技術を進歩させてきた。だが僧侶の教えは数千年前から変わらない。寛容さ、活力、生きがいなどのトピックとその内容は、数千年の時を経ても、現代の我々の心に響く。ではそのような僧侶の思考法とはどのようなものだろうか。嫌いな相手を受け入れる方法、自分が自分を見失う理由、自分に注目することの利点、ルーチンの意味、尊敬されるためにすべきこと、塩のたとえで見る人の在り方、真理を見つけた者を信頼すべきでない理由、人生で頼りにすべき人の4つのタイプ、などなど。サブタイトルにあるように、自分に集中し、心穏やかに生きるためのヒントが詰まった一冊。いちおし
【書評】『虐殺のスイッチ』 森達也
「なぜ人は優しいままで人を大量に殺せるのか」。そんな筆者の疑問から始まった、集団による虐殺のメカニズムを解き明かす一冊。
筆者はたった一人でつくった「A」というドキュメンタリー映画で、オウム真理教の中で出家信者と暮らし、その模様を取材したことでも知られている、筆者から見たオウム信者は、世間で言われているのとは違い、一人一人は優しく礼儀正しい人々であった。ではなぜ彼らが、残虐なテロ組織となっていったのだろうか。為政者が過ちを犯すとき、オウムが優しいままで人を殺せたわけ、宗教弾圧をすべきでない理由、良識ある人が虐殺に手を染めるまでの8段階、カンボジアがキリングフィールドを観光客に公開している理由、などなど。我々の中にある、虐殺のスイッチ。そのメカニズムを探る一冊。おすすめ
【書評】『ニュースの未来』 石戸諭
「ニュースとは新しい価値を創造するという意味で、クリエイティブなもの」。そう語る筆者による、ニュースの未来について。
これまでニュースを担ってきたテレビ、新聞、雑誌の凋落はいかんともしがたい。さらにインターネットの発展により、ニュースの持つ価値自体も変化している昨今。ニュースに未来はあるのか、筆者がよく問われる問いに、真正面から答えた一冊。ニュースの確からしさを増すもの、ニュースの3つの基本形、バイアスを排除するためにすべきこと、インターネットの時代にニュースに求められること、インターネット時代のニュースの王道、良いニュースの5つの要素、などなど。新聞社やWEBメディアで最前線の記者としてニュースを報じてきた筆者だからこそ描ける、ニュースの未来。ジャーナリストを目指す人も、そうでない人も、現代人必読の一冊。いちおし