【書評】『21Lessons 21世紀の人類のための21の思考』 ユヴァル・ノア・ハラリ

知の巨人が挑む、21世紀を生きる我々が直面している21のテーマについて。
 
筆者は『サピエンス全史』で人類の過去を、『ホモ・デウス』で人類の未来を描いた。満を持して挑む次なるテーマは、人類の現在。世界中でノスタルジックな夢想が広まったのはなぜか、AI が他の機械と一線を画する理由、米軍の無人航空機がはらむ本質的な矛盾、近代国家へのテロが効果的なわけ、人々を団結させる嘘の物語、理不尽な毛気が無くならない理由、などなど。幻滅、雇用、自由、ナショナリズム、テロ、教育、など21の重要テーマを切り口として、21世紀に必要な思考と行動を問う一冊。新時代の知の巨人が織りなす、思考の幅と深さに酔いしれる一冊。おすすめ