【書評】『太平洋島嶼戦 第二次大戦、日米の死闘と水陸両用作戦』 瀬戸利春

「大洋を主戦場とする戦争は、太平洋戦争が史上初で唯一のもの」。そう語る筆者による、日米の水陸両用作戦の記録。
 
広い太平洋を舞台に戦われた太平洋戦争。そこでは基本的に島々を巡る戦いであり、陸海空の戦力の統合的な活用が勝利のカギとなる戦いであった。日露戦争後の日米両国の戦争計画の違い、ガダルカナル島で戦艦が主役になれなかった理由、日本軍が逐次輸送をせざるを得なかった事情、米軍が新境地を開いた戦役(キャンペーン)という手法、フィリピンの戦い以降に日本海軍が出てこない理由、などなど。島嶼戦を作戦レベルで解説した良書。おすすめ