【書評】『生命の惑星』 チャールズ・H・ラングミューアー ,ウォリー・ブロッカー

サブタイトルは「ビッグバンから人類までの地球の進化」。地球に生命が満ちるまでの大統一理論
母なる惑星、地球。そこには生命が満ち、各々の繁栄を謳歌している。だがこの生命の惑星は、どのようにして現在の姿になったのか。筆者はその回答の始まりを、ビッグバンに求めた。宇宙開闢から太陽系と地球の誕生、生命の誕生と進化、幾度にもわたる大絶滅、新たに生まれる生命、人類の登場、そして現在の地球の姿。全てをつなぐ、壮大な一つの理論とは。気候変動を解き明かすのが難しい理由、鉄がありふれた金属になった理由、プレートテクノニクス理論が受け入れられるまで時間がかかった理由、種の絶滅速度、大酸化事変という壮大な伏線、などなど。上下巻で600ページもの分量だが、それ以上に内容が非常に濃い。一読しただけで全てが理解できるほど底の浅い本ではないが、それゆえに何度読み返しても新しい発見のある一冊。ビッグバンに始まる138億年の壮大な物語を、地球科学をはじめ生物学、化学、宇宙科学、物理学など理系の知識を総動員し、シンプルな化学式と、美しい理論と、斬新な着眼点から歌い上げた一冊。いちおし