一万円であなたに合った本をセレクトする、そんなサービスを始めた本屋のつぶやき。
筆者が経営するいわた書店は、北海道の小さな町の、小さな本屋である。出版業界のご多分に漏れず、売上は振るわず、向かい風ばかり。試行錯誤の中始めた「一万円選書」も、しばらくは鳴かず飛ばず。いよいよ店を畳む決心をしたところで、全国から年間7000人もの選書希望が殺到する大ブレイクを迎えた。そんな筆者が語る、仕事について、本について、出版業界について。この「一万円選書」は筆者の専売特許にしてもいいはずだが、筆者はその内容を余すところなく公開している。その上、他の書店にもどんどん真似してほしいとまで語っている。それは、筆者が知られざる名作を掘り起こし、世間に知らせていくという使命を抱いているからだ。いいものを見つければ、人に勧めたくなる。そんなシンプルな動機が、本が好きという気持ちが、心地よい一冊。読めばきっと、書店に行きたくなる一冊。おすすめ
