サブタイトルは『近代日本の忘れられた
七年戦争』。知られざるシベリア出兵の内実を明かした一冊。
その名の通り、長きにわたる年月と、膨大な戦費と、数多くの犠牲を出したシベリア出兵。だがその結果として、得られたものはほとんどなく、失ったものがはるかに大きい戦いであった。
第一次世界大戦前の日露関係、シベリア出兵の名目と各国の思惑、独ソが接近した理由、
原敬と
加藤高明の歴史の皮肉、シベリア出兵が長引いたわけ、などなど。後の
満州事変や
日中戦争、太平洋戦争でも見られた
明治憲法の根本的欠陥は、すでにこの時から現出していた。後の歴史と当時の世界情勢に大きな影響を与えた七年間を追った一冊、おすすめ