【書評】『少子社会日本』 山田昌弘

「子どもは「希望」の象徴である」。そう語る筆者による、少子化への処方箋。
 
筆者は「パラサイト・シングル」や「婚活」という言葉の名付け親としても知られ、少子化問題や家族問題の第一人者として、様々な研究や提言を行っている。そんな筆者が主張する、少子化の原因とその対策とは。少子化議論でタブーとなっている2つの「あたりまえ」、1975年から始まる少子化のロジック、日本の少子化を反転させる4つの施策、などなど。目を見張るようなアイディアも、1つで全てが解決するような魔法も、そこにはない。だが筆者が主張するような「あたりまえ」を地道に実行していく余裕を忘れたことが、現在の日本の状況を作り出しているのではないだろうか。15年前に書かれた本だが、その頃と状況がほとんど変わっていないのにも驚かされる。おすすめ