【書評】『人体大全』 ビル・ブライソン

人体。この最も身近でありながら、いまだに多くの謎を秘めた存在の秘密についての一冊。
 
人体を構成する元素は59種類であり、その材料費は5セントとも、168ドルとも、15万ドルとも言われている。もちろんそれらの材料を揃えただけで、人体をつくれるわけではない。この人体の持つ様々な不思議を解説した一冊。長すぎる毛がない理由、キスで移動する細菌の量、新生児が寝てばかりいる理由と丸々としている理由、子どもが多少の怪我でも大丈夫なわけ、猫を飼うことの思わぬ効用、冬眠と睡眠の違い、などなど。幅広い守備範囲と、軽妙な語り口で、人体の持つ謎を解き明かす一冊。おすすめ