2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 藤野 英人

「投資の最大のお返しとは、明るい未来のこと」。そう語る筆者による、投資家として長年考えてきた「お金の本質」について。 色がついていないからこそ、お金には私たちの考えや態度が100%反映される。そして我々があまり考えることの少ない、お金の使い方に…

【書評】『異文化受容のパラドックス』 小坂井敏晶

「日本は「閉ざされた社会」であり「開かれた社会」。日本の異文化受容を説明できるかどうかは、このパラドックスを解明できるかどうか」。そう語る筆者による、日本社会の異文化受容の仕組みについて。 日本は独自の文化を持ちながら、外来の文化を取り入れ…

【書評】『経済は地理から学べ!』 宮路秀作

「地理とは『地球上の理』」。予備校で地理を教える筆者による、地理から見た世界経済。 インドでIT産業が栄えた理由、オランダがEU内で重要な理由、オーストラリアが白豪主義を脱した理由、アンカレジ空港が復活できた理由、水力発電の真の利点、などなど。…

【書評】『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』 ルトガー・ブレグマン

これは、欧州の気鋭の知性による、新世代の経済学である。 シンギュラリティにより、人類はAIによって隷属させられるという悲観論が広がっている。隷属なき道は、人類には残されていないのだろうか。 筆者は豊富なデータと研究成果を駆使し、それに断固たる…

【書評】『答えのない世界を生きる』 小坂井敏晶

「答えのない世界を生きる」。パリ第八大学で哲学を教える筆者による、この世界で異端であることの存在意義について。 これは、混沌とする社会に生きながらも、答えを探せというメッセージではない。革新的なアイディアは、常にその当時の「異端」から生まれ…

【書評】 『鄙の論理』 細川護煕、岩國哲人

1991年刊行の、当時の熊本県知事と出雲市長による地方開発論。 その主張するところはシンプルだ。東京一極集中ではなく、「鄙(ひな)びた」地方にこそ、成長と躍進のチャンスは潜んでいる。自らの地方行政の成果から、筋の通らない霞が関の理論まで、リレー形…