2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『大英帝国の歴史 下』 ニーアル・ファーガソン

かつて地球上の面積の1/4 を占める大帝国であった英国の歴史。下巻はヴィクトリア朝の絶頂期から没落、そして現在まで。 2度の世界大戦により、英国はその輝きを失ったと言われる。だが没落の兆候は、それ以前の18世紀にもあったのだ。ドイツの統一とその急…

【書評】『黙殺 報じられない“無頼系独立候補"たちの戦い』 畠山理仁 

「無名の新人候補の訴えにも見るべきものがあるし、未来へのヒントがあふれている」。そう語る筆者による、2016年の東京都知事選をに立候補した、いわゆる「泡沫候補」たちのノンフィクション。 97%対3%。これは、上記の選挙において民放テレビによる「主要3…

【書評】『大英帝国の歴史 上』 ニーアル・ファーガソン

「それが良いものであろうが悪いものであろうが、正しいものであろうが汚いものであろうが、今日我々が世界として認識しているものは、その大部分がイギリス帝国の時代の産物である」。そう語る筆者による、大英帝国の歴史。上巻は大帝国への道を歩み始めた…

【書評】『テクニウム』 ケヴィン・ケリー

「必要条件となる知識や道具が整ったときに、発見は事実上必然となる」。そう語る筆者による、テクノロジーの本質とは。 グローバルで大規模に、相互に結ばれているテクノロジーのシステム。それを筆者はテクニウムと名付けた。我々人類は石器から蒸気機関、…

【書評】『チャヴ 弱者を敵視する社会』 オーウェン・ジョーンズ

「本書の狙いは、労働者階級の敵視の実態を明らかにすること」。そう語る筆者が綴る、弱者がさらに叩かれる世界の現実。 生活保護、移民、障碍者、ホームレスなど、現在の社会は弱者に同情と支援をもたらすのではなく、蔑視と排除とをもたらしている。これは…

【書評】『経済大陸アフリカ』 平野克己

アフリカと聞いて、どのようなイメージが浮かぶだろうか。貧困、飢餓、紛争、腐敗、独裁、などネガティブなイメージばかりが先行するアフリカ。そんなアフリカを経済面から切り取った一冊。 進境著しい中国企業のアフリカでの存在感はいかほどか、これまでア…

【書評】『新幹線を走らせた男 国鉄総裁十河信二物語』  高橋 団吉

「船のようにたくさんの人を乗せて、空を飛ぶように地上を走る乗りものは、まだこの地球上で、だれも見たことがなかったのである」。世界に類を見ない超特急、新幹線をつくりあげた男の記録。 これは百戦百敗した明治男の物語である。収賄容疑で投獄され、職…

【書評】『お嬢さん放浪記』 犬養 道子

戦後まもなく欧米に留学した筆者の、痛快無比な放浪記。 1948年秋、いまだ戦災の余燼くすぶる日本から、一人の女性がボストンへと旅だった。入院先で学費を荒稼ぎしたり、オランダ領事に頼み込んで無理やりヨーロッパにも留学したり、シカゴのスラム街に迷い…

【書評】『あの会社はこうして潰れた』 藤森徹

国内最大の企業情報データベースを保有する、帝国データバンク。そこで倒産を扱う情報部で、長年にわたり企業取材を続けてきた筆者による、企業の倒産の真実とは。 構造変化に巻き込まれた企業、老舗の「のれん」が裏目に出るとき、粉飾で姿を消した企業、同…

【書評】『「学力」の経済学』 中室 牧子

「経済学がデータを用いて明らかにする教育や子育てに関する発見は、専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある」。教育経済学者の筆者による、事実ベースの教育論。 試験前に学生の祖母が亡くなるのはなぜか、ご褒美の効果的なあげ方とは、褒めると…

【書評】『人が育つ会社をつくる』 高橋俊介

人が組織の中で成長するためには、何をすればいいか。経営コンサルタントとして多くの企業を見てきた筆者による、キャリア創造論。 人が成長するためには、何が必要か。人の成長のために、組織はどうあるべきか。様々な成長パターンを事例から分析し、組織の…