2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『アメリカ海兵隊 非営利型組織の自己革新』 野中郁次郎

世界最強の軍隊である、アメリカ海兵隊。組織論の大家による、アメリカ海兵隊の自己変革の歴史。 独立戦争時に設立されたという長い歴史を持ち、現在でこそ栄光と武勲に彩られた組織であるアメリカ海兵隊。だが元々は海軍内のならず者集団であり、常に自らの…

【書評】『「東京裁判」を読む』 半藤一利

日経新聞の連載記事をもとにした、昭和史の泰斗による東京裁判の総括。 東京裁判の記録は、勝った方も負けた方も国立公文書館に残っている。そのためそれを読み直すことで、歴史の検証が可能である。昭和史の大御所らにより明かされる、東京裁判の真実とは。…

【書評】『逆転の大戦争史』 オーナ・ハサウェイ、スコット・シャピーロ

1928年、パリ不戦条約が調印されたこの年は、この年は世界史の分水嶺となった。 旧世界秩序では、戦争は合法であり、領土の略奪は罪に問われない。だがパリ不戦条約以降の新世界秩序では、戦争は非合法とされ、経済封鎖によって無法者の国を抑制する。「忘れ…

【書評】『第二次世界大戦 勝利を実現した革新者たち』ポール・ケネディ

「国家であろうと軍であろうと、巨大組織が「大戦略」を実行するには、トップと中間層と現場のそれぞれの働きがすべて重要となる」。そう語る筆者による、第二次世界大戦での中間層の努力や工夫を描いた一冊。 第二次世界大戦に勝利した連合国は、なぜ勝利で…

【書評】『武田信玄』 笹本正治

誰もが知る「甲斐の虎」、武田信玄。教養や思想など、様々な切り口からその実像に迫った一冊。 武田信玄は、存命中はもとより、現在に至るまで多くの人々から敬愛されている。だがその生涯は、時代の変わり目の中で内外の敵との戦いの生涯でもあった。信虎追…

【書評】『中国文明の歴史』 岡田英弘

中国史の泰斗による、始皇帝から日清戦争までの中国文明の歴史。 筆者の定義では、「中国文明」はBC221年の始皇帝の中国統一に始まり、1895年の日清戦争における清の敗北までを指す。その長い長い歴史を、コンパクトにまとめた一冊。始皇帝の焚書のもう一つ…