2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『国家はなぜ衰退するのか(下)』 ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン

国家はなぜ衰退するのか。下巻は17世紀の植民地主義から産業革命、そして現代まで。 なぜこんにちの国家間にはこんなにも不平等が存在しているのか。その起源は19世紀にある。工業化と技術改革を行った国の多くは、現在の先進国になった。ではそれを逃した国…

【書評】『9プリンシプルズ』 伊藤穣一、ジェフ・ハウ

「これまでの常識が通用しなくなった、新しい時代に通用する理念、哲学、行動原理とはどんなものか?」ベンチャーキャピタリストとして世界の最新テクノロジーに投資し、現在はMITメディアラボの所長を務める筆者による、未来を生きるための9原則。 我々の時…

【書評】 『日本鉄道事始め』  高橋 団吉

ニッポンに蒸気機関車が走った日、その歴史的意義を明らかにした一冊。 1872年9月12日、日本初の蒸気機関車が新橋を出発した。その列車に乗るのは、明治天皇、山尾庸三、大隈重信、西郷隆盛、板垣退助、井上薫、勝海舟、江藤新平、山縣有朋、黒田清隆、陸奥…

【書評】『国家はなぜ衰退するのか 上』 ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン

国家はなぜ衰退するのか。経済学者である筆者が、この大きすぎる問いに挑む意欲作。 盛者必衰の理の通り、いかに栄華を誇った国家もいずれは衰退する。そこにはどのようなメカニズムが働いているのだろうか。上巻はその前段階、国家がいかに繁栄するかについ…

【書評】『英雄の書』 黒皮伊保子

脳科学の観点から、「英雄」となるための条件を探る一冊。 失敗を恐れるな、勝ち癖をつけろ、夢ではなく「使命」を語れ、誰かのために強くなる、などなど。巷間言われている「成功の条件」それらは脳科学から見れば論理的に説明できるもの。「英雄」となるた…

【書評】『一汁一菜でよいという提案』 土井善晴

「一汁一菜とは、「システム」であり、「思想」であり、「美学」であり、日本人としての「生き方」だと思います」。そう語る、料理研究家である筆者による、シンプルな食のすすめ。 日本には「ハレ」と「ケ」を区別して、ケの日常は慎ましく、必要最小限の食…

【書評】『健康格差 不平等な世界への挑戦』 マイケル・マーモット

世界医師会長を務めた筆者による、健康と格差に関する「不都合な真実」。 2012年の世界の平均寿命は70歳だが、シエラレオネの46歳から日本の84歳まで、38年もの開きがある。それはなぜなのか。ロンドンでは、ウェストミンスター駅から東へ1駅行くごとに、平…