2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『発酵文化人類学』 小倉 ヒラク

「発酵+文化人類学」という、交わらないはずの線をつなげた学問の書。 筆者は発酵と微生物の研究者であり、また文化人類学の学徒でもある。そんな筆者だからこそできた、発酵から見た文化と風土と経済と芸術と。国内の発酵産業の市場規模、腐敗と発酵の違い…

【書評】『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』 アビジット・V・バナジー ,エステル・デュフロ

「本書を書いたのは、希望を持ち続けるためである」。ノーベル経済学賞を受賞した筆者による、より良い世界のために経済学ができること。 世界は、課題で満ちている。経済学が関わる範疇だけでも、移民、貿易、成長、不平等、環境、などなど。そういった課題…

【書評】『地図から消えるローカル線』 新谷幸太郎

「人口減少下で持続可能なインフラをどう構築するか」という問いに対し、鉄道という観点からその課題を俯瞰した一冊。 筆者らは野村総研の有志で、自主研究をまとめたものである。ローカル線の維持費用、黒字路線になるために必要な乗客数、地方が抱える鉄道…

【書評】『20歳の自分に受けさせたい文章講義』 古賀史健

「「書く技術」を身に付けることは、「考える技術」を身に付けること」。そう語る筆者による、文章の書き方講座。 我々は、様々な文章を書くことを求められる。だがその文章の書き方自体は、みな我流で行っている。ライターとして活躍する筆者が、自分の持つ…

【書評】『人を選ぶ技術』 小野壮彦

人を見る目がある、とはどういう状態か。経営層のヘッドハンターとして活躍した筆者による、人を見る目の科学的な鍛え方。 筆者によると、人は2つの軸で分けられる。優秀か平凡か、善か悪か。人材を採用する際、誰もが優秀な善人を採りたいと思う。そして悪…