2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『スッキリ中国論 スジの日本、量の中国』 田中信彦

中国ビジネスに長く関わってきた筆者による、中国人の思考様式について。 日本と中国とは、長い歴史に裏打ちされた共通項も多いが、それ以上に異なる価値観が多い、近くて遠い隣人である。30年近くにわたり中国での人事マネジメントに携わり、ユニクロやリク…

【書評】『美味しい進化 食べ物と人類はどう進化してきたか』 ジョナサン・シルバータウン

進化生態学を研究する筆者による、ヒトと食べ物の進化の歴史について。 料理は文化の大きな要素を占め、食事は生きていくうえで必要であるだけでなく大きな楽しみでもある。ヒトが、食べ物が、今の形になるまでにどのような進化を遂げてきたのか。苦みが警戒…

【書評】『灰緑色の戦史 ドイツ国防軍の興亡』 大木毅

近代ドイツ軍事史の第一人者が語る、第一次大戦開戦前から第二次大戦での滅亡までの、ドイツ国防軍の歴史。 ドイツ国防軍は、様々な「神話」に彩られた軍隊である。第一次大戦の必勝計画であるシュリーフェン計画から、電撃戦の衝撃、戦争犯罪に関わらない清…

【書評】『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』 大木毅

この世の地獄とまで呼ばれた独ソ戦、新史料をもとにその真実に迫る一冊。 時には数百万人がぶつかり合う大戦闘のみならず、ジェノサイド、収奪、捕虜虐殺などが繰り返され、3000万人以上が死亡したとも言われる独ソ戦。なぜそのような悲惨な戦争が起こったの…

【書評】『劣化するオッサン社会の処方箋』 山口周

「最近の古いもんはいったいどうなっているのか」。古い価値観に凝り固まり、不寛容で、排他的な、劣化した「オッサン」への処方箋。 いい年をしたオッサンによる不祥事が絶えない昨今、なぜオッサンは劣化したのか。そうしたオッサンにならないためにはどう…

【書評】『戦車将軍 グデーリアン』 大木毅

第二次世界大戦で連合国を驚愕させた、ドイツの電撃戦。その電撃戦の父とまで呼ばれる、グデーリアンの評伝。 急降下爆撃機で敵後方を撃滅し、戦車の打撃力で敵陣を粉砕し、機械化歩兵の機動力で制圧する。第二次世界大戦劈頭のドイツ軍の圧倒的な強さととも…

【書評】『21Lessons 21世紀の人類のための21の思考』 ユヴァル・ノア・ハラリ

知の巨人が挑む、21世紀を生きる我々が直面している21のテーマについて。 筆者は『サピエンス全史』で人類の過去を、『ホモ・デウス』で人類の未来を描いた。満を持して挑む次なるテーマは、人類の現在。世界中でノスタルジックな夢想が広まったのはなぜか、…