2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『世界の一流だけが知っている 成功するための8つの法則』 リチャード・セント・ジョン

「成功に導いてくれるのは、いったい何なのだろうか?」。多くの成功者へのインタビューから分かった秘訣とは。 筆者は10年以上をかけ、500名以上のTEDトークの出演者に、成功の秘訣を尋ねる。そこから導き出されたのは、情熱を注げるものを見つける、懸命に…

【書評】『自動人形の城: 人工知能の意図理解をめぐる物語』 川添愛

我々は、機械とコミュニケーションが取れるのだろうか。言葉による「意図の理解」を中心に、「意味理解の先にある課題」をテーマにした一冊。 ファンタジー小説の形をとっているが、その実は機械や人工知能と、いかにコミュニケーションするかという課題につ…

【書評】『ハッパノミクス』 トム・ウェインライト

「麻薬ビジネスを一般企業と同列に論じたらいったいどうなるだろうか」。そんな筆者の疑問から始まった、麻薬カルテルの経済学をまとめた一冊。 サプライチェーン、フランチャイズ、CSR活動、人材問題、オンライン販売、レビュー経済、グローバル化、などな…

【書評】『日本の地下で何が起きているのか』 鎌田浩毅

「南海トラフ地震は約20年後に襲ってきて、その災害規模は東日本大震災の約10倍」。火山学や地球科学を専門とする筆者が、来るべき大災害について、市民が知るべきことをまとめた一冊。 日本の国土面積は世界の陸地の0.28%しかないが、M6以上の地震の約20%が…

【書評】『断片的なものの社会学』 岸政彦

社会学者である筆者による、この生きづらい世界をめぐるエッセイ集。 不思議な本である。まるでモノクロの写真集を眺めているような錯覚に陥る。そんな淡々とした、抑揚のない話しぶりの中に、思い出したかのようにはっとさせられる言葉が紛れ込んでいる。油…

【書評】『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』 カーマイン・ガロ

プレゼンのカリスマ、スティーブ・ジョブズ。彼のプレゼンのすごさを解説した一冊。 プレゼンを、ストーリーを作る、体験を提供する、仕上げと練習、の3要素に分け、それぞれについて詳しく説明する。動画は聴衆の集中力が続かないため、長くて2~3分以内に…

【書評】『21世紀 サバイバル・バイブル』 柘植久慶

フランス外国人部隊の隊員として数多の戦場を潜り抜けた筆者による、危機を生き延びるための心構えをまとめた一冊。 自然災害、伝染病、火災、航空機事故、暴力犯罪、詐欺、テロ、戦争、などなど。世界は危険に満ちている。それらの危険に対し、いかに準備す…

【書評】『結論は出さなくていい』 丸山俊一

NHKのディレクターとして様々な番組制作に関わった筆者による、「結論」を出さない思考法とは。 「ニッポンのジレンマ」「英語でしゃべらナイト」「Jブンガク」など、幅広く、かつ他にはない切り口での数多の番組を手がけてきた筆者。そんな筆者の発想法は、…

【書評】『シンプルプレゼン』 ガー・レイノルズ

「複雑なものを素晴らしくシンプルにすること。それがクリエイティビティ」。プレゼンの実施や指導における世界的な第一人者が語る、シンプルかつパワフルなプレゼンの技法とは。 記憶に残るメッセージの要素は、シンプル、意外性、具体性、信頼性、感情、ス…

【書評】『ゼロからのプレゼンテーション』 三谷宏冶

タイトル通り「ゼロから」のプレゼンテーションの入門書。 プレゼン下手だった筆者が、小学生向けから経営幹部向けまで、多種多様なプレゼンを行うプレゼンマスターになれた手法を解説した一冊。まずは達人のプレゼンをまねることから始め、スライドの作り方…

【書評】『ティール組織』 フレデリック・ラルー

ティール組織という、以前の常識を覆す次世代型組織について解説した、組織論の決定版。 人類の歴史は組織の歴史であった。力による支配から、ピラミッド型の階層組織、ボトムアップ組織などが続き、進化型組織とも言うべきティール組織の時代へ。自主経営、…

【書評】『不屈の棋士』 大川慎太郎

将棋ソフトの脅威にさらされる将棋界、その渦中にあるプロ棋士たちのインタビュー集。 1000年以上にわたって親しまれてきた将棋、そして将棋界の最強集団であるプロ棋士たち。近年急速に力を付けた将棋ソフトにより、その勢力図が変わろうとしている。これま…

【書評】『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』 三浦英之

満洲国の将来を担うべく設立された満洲建国大学。その卒業生たちの戦後を描いた一冊。 満洲建国大学は、極めて実験的な大学である。満洲国が掲げた「五族協和」のスローガンの通り、日本、中国、朝鮮、モンゴル、ロシアの5つの民族から選び抜かれた若者たち…

【書評】『ザ・会社改造』 三枝匡

ミスミグループの統帥として会社を生まれ変わらせた筆者が、自身の経験を基に、会社改造の要諦を語る一冊。 競合の出てこない戦略ストーリーは戦略ではない、改革の成否は現実をいかに直視させられるかで決まる、中途半端な体制で勝負を仕掛けない、多角化で…

【書評】『真実』 高田昌幸

北海道警の裏金問題の調査報道で、数々の賞を受けた北海道新聞。栄光に包まれたその裏で、経営幹部たちは警察からの圧力により、その軍門に下ろうとしていた。追い詰められた現場の記者たちが、最後に見たものとは。 ジャーナリストの矜持を失った組織がいか…