2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『政談』 荻生 徂来

「国を治めるというのは、碁盤に縦横の筋を付けるように、全体を見渡した計画に基づいて物事を進めていくこと」。そう語る筆者による、経世の書。 筆者は江戸中期、徳川吉宗のブレーンとして活躍した人物である。開闢以来第一の人物と同時代人に激賞された大…

【書評】『クリーンミート 培養肉が世界を変える』 ポール・シャピロ

肉の細胞を増殖して、食肉(クリーンミート)をつくる。ベジタリアンでもある筆者が、現実に近づきつつあるこの技術を追ったノンフィクション。 世界中には様々な動物が暮らしている。だがその内訳は、我々が思っているよりもはるかに偏っている。世界にはライ…

【書評】『人生の短さについて』 キケロ

「我々は、短い人生を授かったのではない。我々が、人生を短くしているのだ」。そう語る筆者による、人生の処方箋。 筆者は2000年前の古代ローマ帝国で、政治家として、哲学者として、教育者として、著作家として活躍した人物である。そんな筆者が語る、より…

【書評】『帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる』 大木毅

大日本帝国の軍人たちは、どのような言葉を残したのか。史料に当たるだけではなく、彼らの生の声を聴いた筆者らによる、大日本帝国陸海軍の真実。 太平洋戦争は今に続く様々な教訓を残した。その証言者たちはいかに語り、記録者たちはいかにそれを後世に残そ…