2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『ビジョナリー・ピープル』 ジェリー・ポラスほか

世界中の200人以上へのインタビューをもとに、永続的に成功を収めている「ビジョナリー・ピープル」の条件を探る大作。 ビジョナリーな人が成功を見出しているのは、意義、思考スタイル、行動スタイルの3つの要素の整合性が取れているためと筆者らは考える。…

【書評】『日本国家の神髄』 佐藤優

「日本のために戦って靖国神社に祀られている英霊を顕彰し、追悼するのは当然のこと。だがそのことと酷い負け戦を美化することとは全く異なる」。そう語る筆者による、日本を日本足らしめている思想の正体とは。 筆者は1930年代後半に書かれた『国体の本義』…

【書評】『消費資本主義』 ジェフリー・ミラー

「消費資本主義を理解するには、「先史時代のご先祖たちは、今日の僕たちの暮らしを見てどう考えるだろう?」と思考実験してみる」。そう語る筆者による、消費資本主義という現代の病について述べた一冊。 人は所有したり使ったりする楽しみのためにモノを買…

【書評】『日本企業にいま大切なこと』 野中郁次郎、遠藤功

日本人自身が忘れている、日本企業の本当の強みとは何か。競争戦略の泰斗である野中郁次郎と、現場主義の権威である遠藤功、2人によるリレー形式の著書。 情緒的で、非効率で、根回しだらけで、時代遅れ。そんな日本式経営だからこそ、世界に伍していけると…

【書評】『若者のための政治マニュアル』 山口二郎

大学教授として、政治評論家として政治にかかわる筆者による、民主主義を使いこなすための10のルールをベースに展開される政治論。 民主主義とは何か、議会に複数の政党が必要なのはなぜか、権利の主張と理不尽なクレームの見分け方とは、社会保障の理論的根…

【書評】『我々はなぜ我々だけなのか』 川端裕人

「ぼくたちはどうして「ぼくたちだけ」になってしまったのだろうか」。そんな筆者の疑問から始まった、新しい人類学の教科書。 ホモ・サピエンスが登場するまでは、世界各地で多種多様の原人・旧人が暮らしていた。そんな人類の「多様性」はどのように失われ…

【書評】『「国境なき医師団」を見に行く』 いとうせいこう

誰もが知っていながら、その活動内容はあまり知られていない国際組織、国境なき医師団。その活動を第三者の目からまとめたルポルタージュ。 国境なき医師団は、現在28カ国に事務局があり、70カ国以上で活動を展開していく国際機関である。紛争国や災害のあっ…

【書評】『ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか』 高橋祥子

「人はテクノロジーそのものではなく、それによってもたらされる一人一人の「私」への影響に関心がある」。そう語る筆者による、テクノロジーと我々の生活の交点を探る一冊。 研究者兼起業家として、遺伝子をチェックできるベンチャービジネスを展開する筆者…

【書評】『余暇と祝祭』 ヨゼフ・ピーパー

「余暇とは、いったい何でしょうか」。哲学者である筆者が、その疑問に答えた意欲作。 労働の対極として認識される、余暇や祝祭。だが中世欧州においては、「労働のための労働」をモットーに休みなく働くことは、怠惰のしるしとさえ思われていたという。余暇…

【書評】『昭和史』 半藤一利

「歴史は正しくきちんと学べば、教訓を投げかけてくれる。だがその意思がなければ、歴史はほとんど何も語ってくれない」。昭和史の権威が語る、1926年から1945年までの20年間の歴史の総集編。 昭和元年に蒋介石は北伐を始め、ソ連は社会主義国家建設を進めて…

【書評】 『ステルス戦闘機』 ベン・R・リッチ

自由な発想と、最新技術への挑戦により、常に航空界をリードしてきたスカンクワークス。そのトップとして活躍した筆者の回顧録。 スカンクワークスとは、米国の軍用機メーカーであるロッキード社の先進開発計画のチームである。少数精鋭のこのチームは、世界…