2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『論文捏造』 村松秀

世界的な権威を持つ研究所で行われた、論文捏造を巡るノンフィクション。 21世紀初頭、アインシュタインやハイゼンベルクらと並び称せられた天才科学者がいた。弱冠29歳ながら、彗星のように物理学会に現れ、超伝導の分野でそれまでの常識を覆す大発見を連発…

【書評】『「砂漠の狐」ロンメル』 大木毅

「ロンメルは蔑みを抱いて、死んでいったのか。だとすれば、その感情は誰に向けられていたのか」。そんな筆者の疑問から始まった、「砂漠の狐」の評伝。 エルヴィン・ヨハネル・オイゲン・ロンメル。ドイツ国防軍で最も有名な軍人であり、敵である連合軍から…

【書評】『アメリカは食べる。』 東理夫

「アメリカは移民の集まりであるからこそ、お互いに影響を与え合い、アメリカの食は変化していかざるを得ない宿命を負っている」。そう語る筆者による、アメリカの食のルポルタージュ。 アメリカ食と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。ハンバーガー、コーン…

【書評】『イスラーム思想を読みとく』 松山洋平

「イスラームは「信条の体系」であるから、その世界観を真実・事実として信じるか否かが問題」。そう語る、イスラーム思想史の研究家である筆者による、イスラームの教えの入門書。 近年、中東以外でも急速に勢力を拡大しつつある、イスラーム。その教えは我…