2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『暁の宇品』 堀川 惠子

「人類初の原子爆弾は、なぜ広島に投下されなくてはならなかったか」。そんな筆者の疑問から始まった、宇品の歴史。 1894年の日清戦争を機に、大本営が広島に移されたことはよく知られている。のみならず、帝国議会も広島で開かれ、首相をはじめとする閣僚も…

【書評】『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 ケイト・マーフィ

誰もが声高に自分の主張を繰り返す世界。そんな世界における、「聴く」ことの重要性について。 コミュニケーションには、伝える力と聴く力、その両方が必要である。だが我々は、伝える力や話し方ばかりに意識を向けてしまう。この忘れられがちな「聴く」力に…

【書評】『DXの思考法』 西山 圭太

いま何か決定的な変化が起こりつつある。そんな時代の、DXの解説書。 筆者は経産省の官僚として、世界各地の知の巨人と親交を結び、日本の経済・産業システムの第一線で活躍してきた人物である。そんな筆者が、DXの本質とその展望を語る一冊。創業間もないイ…

【書評】『世界は贈与でできている』 近内悠太

「僕らは、他者から贈与されることでしか、本当に大切なものを手にすることはできない」。そう語る筆者による、贈与論。 世の中には、お金では買えないものがある。筆者はそれを「贈与」と呼ぶが、必要であり重要なその贈与について、我々はよく分かっていな…