2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『貧困脱出マニュアル』 タカ大丸

「貧困は罪悪であり、病であり、全ての悪の根源である」。そう語る貧困家庭から売れっ子通訳となった筆者による、貧困から抜け出すためのバイブル。 競輪選手、力士、民泊オーナーなど、具体的な職業名を挙げながら、また具体的な心の持ち方や行動を例にとり…

【書評】『占領史録』 江藤淳

ポツダム宣言受諾から、連合国軍が日本各地に進駐するまでの、さまざまな交渉、命令、談話、などをまとめた一次史料集。 文庫版でも、上下巻合わせて1500ページを超える膨大な分量に圧倒される。降伏受諾の使者をどこにどうやって送るかに関する日米双方のや…

【書評】『北朝鮮へのエクソダス』 テッサ・モーリス

冷戦期に実現した、日本から北朝鮮へのエクソダス(脱出)。その実像を追ったノンフィクション。 1959年から1984年にかけて実施された「帰国事業」により、9万人以上もの在日朝鮮人とその縁者となる日本人が、北朝鮮に渡った。在日朝鮮人の祖国願望に応えたヒ…

【書評】『歴史とは何か』 E.H.カー

「歴史的事実という地位は、解釈の問題に依存する」。そう語る筆者による、歴史哲学の古典的名著。 筆者は1961年の1月から3月にかけて、ケンブリッジ大学で同名の連続講演を行った。本書はその内容をまとめたものである。歴史家の仕事とは何か、歴史的事実と…

【書評】『マーケティングを学ぶ』 石井淳蔵

マーケティング論の泰斗による、これからのマーケティングの形について。 「モノが売れない時代」とは手垢のついた言葉であり、常態であり前提でもある。ではそのような時代において、企業はどのようにして戦略を練り、どのように組織体制を整えていくべきか…