2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】『嫌われた監督』 鈴木 忠平

中日ドラゴンズの落合博満監督、多くの関係者の証言を基に、その素顔に迫る一冊。 落合博満は8年間にわたり中日ドラゴンズの指揮を執り、全ての年でAクラス、リーグ優勝4回、日本一1回の実績を残した。まごうことなき名将であり、彼のもとで中日ドラゴンズは…

【書評】『人体大全』 ビル・ブライソン

人体。この最も身近でありながら、いまだに多くの謎を秘めた存在の秘密についての一冊。 人体を構成する元素は59種類であり、その材料費は5セントとも、168ドルとも、15万ドルとも言われている。もちろんそれらの材料を揃えただけで、人体をつくれるわけでは…

【書評】『少子社会日本』 山田昌弘

「子どもは「希望」の象徴である」。そう語る筆者による、少子化への処方箋。 筆者は「パラサイト・シングル」や「婚活」という言葉の名付け親としても知られ、少子化問題や家族問題の第一人者として、様々な研究や提言を行っている。そんな筆者が主張する、…

【書評】『気候変動と「日本人」20万年史』 川幡 穂高

気候変動という切り口から、日本人の歴史を再定義した意欲作。 歴史を大きく動かす要因の一つとして、気候変動がある。中国史では冷害や大雨などにより飢饉が発生し、時の王朝が倒されるというのはよく見る光景である。日本史においても、源平合戦で平家が負…

【書評】『八九六四』 安田峰俊

八九六四、すなわち1989年6月4日に起こった、天安門事件の真の姿を追ったルポルタージュ。 現代中国の最大のタブーである、天安門事件。中国国内では「六四」と検索できないとも、LINE乗っ取り犯に「天安門事件」と送ると黙るとも言われ、様々な憶測や陰謀論…