【書評】『あの会社はこうして潰れた』 藤森徹

国内最大の企業情報データベースを保有する、帝国データバンク。そこで倒産を扱う情報部で、長年にわたり企業取材を続けてきた筆者による、企業の倒産の真実とは。
 
構造変化に巻き込まれた企業、老舗の「のれん」が裏目に出るとき、粉飾で姿を消した企業、同族経営の落とし穴、などなど。数多くの企業倒産の事例には、興味が尽きない。だがこの本の真骨頂は、倒産理由から見えてくる経営の「べからず集」であると思う。中小企業が生き残る道、順風満帆の時の心構え、事業を安定させるコツ、社訓・社是を持つ意味、新事業に乗り出すリスク、などなど。生々しい事例から、得られる内容は多岐にわたる一冊。おすすめ