【書評】『自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠 』 柿埜真吾

「資本主義と経済成長こそ、マイノリティにも環境にも優しい世界を生み出してきた」。そう語る筆者による、資本主義と経済成長への賛歌。
 
「脱成長」という言葉を聞いたことはあるだろうか。経済成長を嫌い、現状維持を望む人々は、昔から存在していた。だが最近の脱成長論者は、環境保護という新しい革袋に、その古い酒を注いでいる。社会主義体制で精神の自由がない理由、産業革命がまさに革命であった理由、天国の姿に見る人間の保守性、独裁国家が情報を統制する理由、などなど。豊かな社会とは何か、そのために何が席るかを考えさせられる一冊。おすすめ