【書評】『おみやげと鉄道』 鈴木勇一郎

「日本のおみやげ文化は、世界的に際立ったものである」。そう語る筆者による、おみやげを通じた日本近代史。
 
日本の観光地では、至る所でおみやげが売られている。それも特に、饅頭や羊羹や煎餅などの食品が多くを占める。日本独自の文化ともいうべきおみやげ文化は、どのように生まれたのか。おみやげの起源、名物にうまいものなしの理由、吉備団子と桃太郎の接点、地域限定菓子が生まれたきっかけ、後発の萩の月が仙台を代表する銘菓になった理由、などなど。普段何気なく接している文化の、起源を探る一冊。おすすめ