【書評】 『銀翼のアルチザン』 長島芳明

中島飛行機技師長、小山悌(やすし)の伝記。
 
元々は海軍士官であった中島知久平が創業した、軍用機専用メーカー、中島飛行機東北帝国大学を出ながら、当時は田舎の一企業でしかなかった中島飛行機に就職した小山悌。彼の入社を機に、中島飛行機は飛躍の時を迎える。三菱、川崎といった大企業との熾烈なコンペ。後に日本のロケットの父と呼ばれる糸川英夫をはじめとする、個性的な技術者たち。あくまでパイロットの安全を重視し続けた、中島飛行機の社風。ライト兄弟の初飛行に憧れたかつての少年たちの、飽くなき空への挑戦の記録。草創期から東洋一の飛行機メーカーとなるまでの、生き証人の伝記。おすすめ