「投資の最大のお返しとは、明るい未来のこと」。そう語る筆者による、投資家として長年考えてきた「お金の本質」について。
【書評】『異文化受容のパラドックス』 小坂井敏晶
「日本は「閉ざされた社会」であり「開かれた社会」。日本の異文化受容を説明できるかどうかは、このパラドックスを解明できるかどうか」。そう語る筆者による、日本社会の異文化受容の仕組みについて。
【書評】『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』 ルトガー・ブレグマン
これは、欧州の気鋭の知性による、新世代の経済学である。
シンギュラリティにより、人類はAIによって隷属させられるという悲観論が広がっている。隷属なき道は、人類には残されていないのだろうか。
【書評】『答えのない世界を生きる』 小坂井敏晶
「答えのない世界を生きる」。パリ第八大学で哲学を教える筆者による、この世界で異端であることの存在意義について。
これは、混沌とする社会に生きながらも、答えを探せというメッセージではない。革新的なアイディアは、常にその当時の「異端」から生まれてきた。万有引力の法則も、進化論も、地動説も、はじめは皆異端だった。ノーベル物理学賞の受賞者のうち、自国以外で研究成果を出したのは62%にも及ぶ。裏を返せば、ノーベル賞を取るような研究者の中で、「正統派」の研究者は32%しかいないということ。
一言で要約できるような、一言で感想を言えるような底の浅い本ではない。異端とは、矛盾とは、変革とは、平等とは、普遍的とは。そんな問いに対して筆者が語り、同時に同じ問いが読者に突き付けられる。「自分は」どうアプローチして、どのような答えを出すのか。哲学とは、本を読んで納得するのではなく、本を読んでから自らに問いかけることだと思う。いちおし
【書評】『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』 武藤北斗
「会社の役割というのは、その人が幸せに生きていくためのサポートをするという一点に尽きる」。そう語る筆者による、新しい働き方の指南書。
筆者はパートを合わせても11名の、小さなエビ加工会社の経営者である。東日本大震災で石巻の工場を失い、多額の借金を背負いながら、大阪で再起したため国からの援助は一切なし。そんな中で考え出したのが、「フリースケジュール」という働き方。出社する時間も、退社する時間も、出社するかどうかすら、自分で決められる。しかも会社へ連絡の必要は一切なし。さらに従業員に定期的にアンケートを取り、嫌いな作業はやらなくてもいいという制度まである。筆者はなぜこのような制度を考え付いたのか。そしてこの制度をどのように活かしているのか。これまでのように人を縛る働き方ではなく、よりよく生きて生きていくための、『生きる職場』の作り方。おすすめ