【書評】『真実』 高田昌幸

北海道警の裏金問題の調査報道で、数々の賞を受けた北海道新聞。栄光に包まれたその裏で、経営幹部たちは警察からの圧力により、その軍門に下ろうとしていた。追い詰められた現場の記者たちが、最後に見たものとは。
 
ジャーナリストの矜持を失った組織がいかに醜いかを描いた作品であり、組織の中でいかに自分を貫き通せるかという個人を描いた作品でもある。自分と仕事、個人と組織の関係について考えさせられる一冊。公権力におもねる報道機関は、いったい何の存在価値があるのだろうか。おすすめ