【書評】『ハッパノミクス』 トム・ウェインライト

「麻薬ビジネスを一般企業と同列に論じたらいったいどうなるだろうか」。そんな筆者の疑問から始まった、麻薬カルテルの経済学をまとめた一冊。
 
サプライチェーンフランチャイズCSR活動、人材問題、オンライン販売、レビュー経済、グローバル化、などなど。麻薬カルテルのビジネスは、一般企業のビジネスと驚くほど似通っている。違法であるとはいえ、ビジネスの永続性は求められるし、地域住民の支持は必要だし、人材は重要だし、オンライン化への対応は必須だし。ビジネスという文脈から見ると、麻薬カルテルのアライアンスがあるのも、ISが斬首動画を公開するのも、ネットで売人のレビューが見れるのも、簡単に説明できる。闇社会の流儀を、わかりやすく説明した一冊。おすすめ