【書評】『健康格差 不平等な世界への挑戦』 マイケル・マーモット

世界医師会長を務めた筆者による、健康と格差に関する「不都合な真実」。
 
2012年の世界の平均寿命は70歳だが、シエラレオネの46歳から日本の84歳まで、38年もの開きがある。それはなぜなのか。ロンドンでは、ウェストミンスター駅から東へ1駅行くごとに、平均寿命が1年下がる。なぜそのようなことが起こるのか。国が豊かになるにつれ、高学歴になるほど過体重の割合が少なくなる。何がそれを引き起こしているのか。オーストラリアに始まり、イギリス、インド、マリ、アメリカ、ボリビア、日本、イタリア、バングラディシュなどなど。文字通り世界中を駆け回り、不平等な世界を白日の下にさらした一冊。おすすめ