【書評】『占領史録』 江藤淳

ポツダム宣言受諾から、連合国軍が日本各地に進駐するまでの、さまざまな交渉、命令、談話、などをまとめた一次史料集。
 
文庫版でも、上下巻合わせて1500ページを超える膨大な分量に圧倒される。降伏受諾の使者をどこにどうやって送るかに関する日米双方のやり取り、マッカーサーが厚木に降り立つまでの交渉、降伏文書調印の実務者が決まるまで、日本国憲法が制定されるまでの議事録、日本各地の進駐軍の様々な命令書、そして関係者へのインタビュー、などなど。書籍として市販されているのが信じられないほどの、第一級の一次史料。無人島に2冊だけ本を持っていくなら、自分は間違いなくこの上下巻を持っていき、歴史の研究を行うと思う。おすすめ