【書評】『貧困脱出マニュアル』 タカ大丸

「貧困は罪悪であり、病であり、全ての悪の根源である」。そう語る貧困家庭から売れっ子通訳となった筆者による、貧困から抜け出すためのバイブル。
 
競輪選手、力士、民泊オーナーなど、具体的な職業名を挙げながら、また具体的な心の持ち方や行動を例にとりながら、貧困脱出の方法が分かりやすく解説されている。ここまでなら凡百の書籍とそんなには変わらないが、この本の真骨頂は後半にこそある。実力伯仲の中でトップになる方法、物書きの心をつかむテクニック、人脈を真に活かすやり方、才能がないからこそできる一歩抜け出すヒント、などなど。看板に偽りありとまで思えるほど、筆者が大事にしている仕事が途切れないコツ、人生のヒントが山盛り。貧困層だけでなく、むしろそうでない人たちにこそ読まれるべき一冊。いちおし