【書評】『「豊かさ」の誕生』 ウィリアム・バーンスタイン

「世界がいつ、どこで、どのように繁栄を始めたかを知ることによって、私たちは世界がどこへ向かっているのかを、より正しく予測することができるかもしれない」。そう語る筆者による、英雄の出てこない世界史。
 
諸行無常とはよく言ったもの。これまで数々の国家が栄華を極め、そして見る影もなく没落していった。そのような繁栄や豊かさにはどのような法則があるのだろうか。投資家として活躍する筆者が語る、成長と発展の文明史。専制国家が必ず没落する理由、共産主義が失敗したわけ、「グローバル化」をもたらした発明、工業化のために農業が果たした役割、技術革新を促すために必要なこと、日本の高度経済成長が二度と来ない理由、これからも人類が繁栄し続けられるわけ、などなど。1820年ごろに起こった第一次産業革命により、発展の道を歩み始めた人類の、壮大な歴史。特に繁栄を約束する四要素は必読である。おすすめ