【書評】『明治維新とは何だったのか』 半藤一利、出口治明

近現代史の泰斗である半藤一利と、当代最高の教養人である出口治明。二人の知の巨人による、幕末から明治にかけてをテーマにした歴史対談。
 
アヘン戦争が幕府に与えた衝撃、若き俊英の阿部正弘が失敗した理由、わびさびが江戸時代に発展した理由、幕末とソ連末期の共通点、勝海舟が偉大になれたわけ、小泉八雲が帝大を追われた理由、幕末と昭和初期の共通点、などなど。視点を幕末の日本だけでなく、世界規模に、あるいは他の時代との比較を入れることで、歴史的事実の持つ位置付けは大きく変わる。真の教養人だけに許された歴史の愉しみ方を、存分に味わえる一冊。おすすめ