「新自由主義」と呼ばれる一連の思想は、それ自体が大きな思想のくくりであるため、その中にさまざまな思想を内包している。だがそれはマルクス主義や宗教の会派、宗派のように、明確な共通項を持つものではない。それは新自由主義が市場経済にしか興味がなく、かつてのマルクス主義のように思想の潮流になりえないからだ。ではこれからの世界は、何をよりどころにすればいいのだろうか。
経済学や思想史のバックグラウンドのない人間にとっては、非常に難解で骨の折れる一冊。経済学それ自体ではなく、社会学者の目から見た経済学の役割についての視点が興味深い。一度だけではなく、手元に置いて何度も読み返したくなる一冊。おすすめ