【書評】『地図から消えるローカル線』 新谷幸太郎

「人口減少下で持続可能なインフラをどう構築するか」という問いに対し、鉄道という観点からその課題を俯瞰した一冊。
 
筆者らは野村総研の有志で、自主研究をまとめたものである。ローカル線の維持費用、黒字路線になるために必要な乗客数、地方が抱える鉄道維持のジレンマ、鉄道の方が自動車より環境負荷が少ないという言説の根拠、駅売店が赤字なわけ、鉄道会社が不動産事業を行える理由、などなど。多くの人々にとって「あって当たり前」であった鉄道。それをいかに維持していくか、そしていかに活用していくか。数字での裏付けと、豊富な事例を基に、その答えを探る一冊。おすすめ