【書評】 『ステルス戦闘機』 ベン・R・リッチ

 
自由な発想と、最新技術への挑戦により、常に航空界をリードしてきたスカンクワークス。そのトップとして活躍した筆者の回顧録。
 
スカンクワークスとは、米国の軍用機メーカーであるロッキード社の先進開発計画のチームである。少数精鋭のこのチームは、世界初の超音速ジェット戦闘機F-104、世界最速の偵察機SR-71、世界初のステルス戦闘機F-117、などを開発した。しかもこれらの航空史上に残る傑作機の数々を、短期間かつ低コストで開発しているのである。軍用機に限らず、新技術の開発にはますます巨大な予算と、ますます長い期間と、ますます多くの人員が必要となっている昨今。組織の簡素化による意思決定の簡素化と、80%でよしとする開発費の低減を旨とする「スカンクワークス方式」は、今こそ見直されるべきだと思う。おすすめ