【書評】『「決め方」の経済学』 坂井豊貴

「多数決を使うことは、子どものころいつの間にか教わる。けれどその正しい使い方は、大人になっても教わることはない」。そう語る筆者による、みんなの意見のまとめ方に関する考察。
 
選挙で勝利した政党は「民意を得た」という表現を使う。だがこれは本当だろうか。現在の小選挙区制では、40%の得票率で70%の議席を得ることも可能である。また政党のマニュフェストは、独占禁止法では禁止されているはずの、政策の「抱き合わせ販売」である。だからある人が投じた一票は、その政党の政策を100%支持するとは限らない。では、どのような「決め方」がうまく人々の意見をくみ取れるのだろうか。数理モデルを用いる経済学の手法から、最適な「決め方」を考える一冊。おすすめ