【書評】『あなたの人生の意味』 デイヴィッド・ブルックス

「人間の美徳には、履歴書向きの美徳と、追悼文向きの美徳の2種類ある」。そう語る筆者による、より良き人になるための指南書。
 
人は誰しもが、自分がかわいく、自分のことを優先して考えたがる。だがそこから一歩進んで、自分の幸福のためではなく、聖なるもののために生きる人もいる。その差はどこにあるのか。いかに生きれば人格者となれるのか。ここで描かれているのは、天職とは、克己とは、中庸とは、自制心とは、品位とは、愛とは、などなどのテーマ。10名の「惜しまれる生き方」をした人々の生きざまから、そのヒントをさぐる一冊。
 
この本で紹介されている10名は、日本人にはあまりなじみのない人ばかり。だがその気高く美しい生き方からは、自分がいかに生きるかへの示唆が得られるはず。読めばきっと、背筋を正される一冊。そしてまた、自分の生き方を振り返させられる一冊。いちおし