【書評】『スポーツ国家アメリカ』 鈴木透

ある意味で米国は、スポーツと社会との連携を再構築することで、近代の限界や矛盾を克服し、理想の国を作ろうとする壮大な実験をしてきた」。そう語る筆者による、スポーツで読み解く、アメリカの成り立ちと現在について。
 
得点を入りにくくする「オフサイド」の起源、近代フットボールと産業社会の共通点、野球やアメフトで審判の数が多い理由、バスケが発明された背景、米国型競技が選手交代が多い理由、ホームランが爽快である心理、野球という競技が米国の国技と言われる理由、などなど。スポーツ大国の成り立ちと、スポーツが米国社会に与えた影響の数々は、スポーツをより面白くしてくれるスパイスであると思う。おすすめ