【書評】『世界のなかで自分の役割を見つけること――最高のアートを描くための仕事の流儀』 小松 美羽

「誰もが役割を持っていて、私はたまたま、それに早く気付くことができた。ただそれだけだ」。国際的に活躍する画家であり、独自の死生観を表現し続ける現代アーティストである筆者。その迸る情熱をぶつけた仕事論。
 
幼少期より培われた死生観、20歳で制作した代表作とその呪縛、出雲大社への奉納、ニューヨークでの挫折、その激動の中で、筆者が感じてきたこととは。筆者の描く絵画と同様に荒々しく、それでいて目が離せない魅力を持つ文章。時に鋭く、時におおらかに、自分の仕事、またの名を使命を語る。一つのことを貫く筆者の姿は、純粋なものだけが持つ輝きが眩しいほどだ。世界の中で、自分が何をすべきかを考えさせてくれる良書。おすすめ