【書評】『野生化するイノベーション』 清水洋

「いったん生まれた技術は、野生動物と同様に、その移動を制限しようとしてもなかなかうまくいかない」。そう語る筆者による、イノベーションの経験的パターンの解説書。

イノベーションには一定の習性があり、自由に移動し、破壊的な側面を持つ。あたかも野生動物のような、イノベーションの実態とは。知識への投資が有効な理由、起業家で大学中退者と卒業者との差、イノベーションの生態系の中で日本企業が果たすべき役割、組織の中で野生のイノベーションを飼い馴らす方法、産業革命とは異なる江戸時代の勤勉革命、米国企業の収益性が高い理由、などなど。イノベーションの習性を知るうえで、イノベーションの果実を得るうえで、必読の一冊。おすすめ