【書評】『138億年宇宙の旅』 クリストフ・ガルファール

138億年前、宇宙はどうやってできたのか。宇宙はどのようになっているのか。宇宙はこれからどこへ向かうのか。考え始めるときりがないこれらの問いに答える、最先端宇宙論の解説書。
 
筆者は「車いすの天才」ホーキングの下で学び、サイエンスライターとして活躍している。使う数式はE=mc2 の1つだけ。図表やイラストは用いず、写真も1枚だけという縛りのなかで、宇宙論を展開する。タイムマシンはつくれるのか、宇宙の始まりはどこにあるのか、なぜ太陽の光を温かく感じるのか、量子世界と我々の世界の違いは何か、身近にある星屑のかけらとは、ダークマターの存在、などなど。文字情報だけで、最新の宇宙論をこの上なく分かりやすく語りつくした一冊。読めばきっと、驚きとため息と知的興奮とで時のたつのを忘れらせてくれる、将来の古典となることを約束された一冊。いちおし