【書評】『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』 ルイス・ダートネル

「人間の知識は広く拡散した集合的なものであり、社会を動かすプロセスを十分に知っている人間は誰一人いない(」。そう語る筆者による、再び文明社会を築くための指南書。
 
パンデミックか、大災害か、核戦争か、隕石の衝突か。理由は何でもいいが、大破局後の北斗の拳やマッドマックスのような世界。そこからいかに科学や技術を応用し、文明を再興していくためにはどうすればいいか。農耕、衣服、エネルギー、材料、医薬品、輸送機関、コミュニケーション、などなど。人々の断片化した知識を再結集させ、人類を再び反映させる方法論の数々。現在の我々の文明が、必然ではなく数多くの可能性の一つであることを再認識させてくれる一冊。文明史を見る目が変わる一冊。おすすめ